ChatGPTの法人利用の危険性ー安全にAIの技術革新を取り入れるための基礎知識
ChatGPTが世界中で大きな話題となる中、「自社でも導入を進めたい」「社内の利用方針を固めたい」と考えている企業も多いでしょう。この記事では、ChatGPTの法人利用に向けて、どんな危険性があるのか、どんな点に注意すべきかについて解説します。
弊社が提供をするCRMプラットフォーム「クライゼル」ではChatGPTと連携して、データベース作成・Webフォーム作成をAIが支援する機能を提供しております。是非合わせてご覧ください。
目次[非表示]
ChatGPTという産業革命の時代
OpenAI社が開発したChatGPTは、自然言語モデルをベースとしたAIチャットツールで、リリースからわずか2ヶ月で1億ユーザーを突破するなど、大きな話題を集めています。
生成AIと呼ばれる、さまざまなコンテンツを生成できる人工知能の登場は、かつて蒸気機関車が産業と人々の生活を大きく変えたように、新たな革新を呼び起こすものとして、早くも事業活動に取り入れる動きが広がっています。
しかし、強力なツールだからこそ、使い方を誤れば重大なインシデントにもつながりかねません。導入にあたっては、事業に与えるメリットを正しく把握すると同時に、危険性を踏まえた上で運用のルールやフローを策定していくことが肝要といえます。
ChatGPT自身にChatGPTの危険性を聞いてみよう
ChatGPTに、ChatGPTを法人利用する際の危険性を尋ねてみると、上のような回答が返ってきます。自然な文章で的確な回答が返ってくるところは、実用の可能性を感じさせてくれますが、ChatGPTの言う通り、いくつかの点には注意が必要です。
企業側の対応としては、プライバシーの観点や法的な観点から、利用の範囲(何に使うのか)を定めると同時に、情報の信頼性や倫理的な判断力に欠ける点を踏まえて、チェック体制等のフローを構築することが求められるといえるでしょう。
ChatGPTを法人で活用する際の主に考慮すべき観点
ここで、事業活動に利用するにあたって特に注意すべき観点について詳しく解説します。
セキュリティにかかわる観点
1つ目はセキュリティの観点です。内部からChatGPTを介して情報漏洩してしまうことがないように徹底すると同時に、外部から質問入力を受け付ける際には脆弱性のリスクも踏まえておく必要があります。
また、ChatGPTのサービス自体が止まってしまう可能性もあることを念頭に置いた上で利用する必要があるでしょう。
プライバシー・著作権の観点
2つ目の観点は、プライバシーや著作権の観点です。ChatGPTに入力した内容は、Open AI社に無制限・無償で利用されるため、ChatGPTによる回答がプライバシーや著作権を侵害するおそれがあります。
悪用など倫理的な観点
3つ目の観点は、悪用などの倫理的な観点です。ChatGPTを使った外部からのサイバー攻撃に備えると同時に、内部で悪用されないよう内部統制も必要です。例えば、故意かどうかにかかわらず、フェイクコンテンツを発信してしまうといったことがないように注意しなければいけません。
法人のガバナンス意識とChatGPTのセキュリティ
ここからは、ChatGPTが広まる中で企業が検討すべき課題について詳しく見ていきましょう。まずはセキュリティ面に関する課題を3つ紹介します。
入力情報の学習データ化による情報漏洩への対応
ChatGPTを解する情報漏洩については、内部から入力するケースと顧客など外部から入力するケースのどちらで利用する場合にも対応が必要です。個人情報や機密情報を入力しないよう徹底しましょう。
セーフガード機能の無効化など脆弱性への対応
ChatGPTには、倫理的に不適切な質問などがなされた場合に回答を回避するセーフガード機能が搭載されていますが、開発者を装うなどしてこのフィルターを突破されることがあると指摘されています。これによって、正常に機能しなくなり、二次被害を引き起こす可能性も考えられます。特に外部からの入力を受け付ける場合には注意が必要です。
継続的活用ができなくなる可用性への対応
ChatGPTはまだ黎明期のサービスであることを踏まえ、今後利用ができなくなる可能性もあることも念頭に置いておきましょう。事業自体が止まってしまうということのないよう、代替手段を設けるなどの対策を講じておくと安心です。
法人のガバナンス意識とChatGPTのプライバシー・著作権
続いて、プライバシーや著作権に関する課題について見ていきましょう。
学習データ収集のブラックボックス化による個人的意見の露出機会の増加
ChatGPTの学習データには、ユーザーが入力した内容のほか、インターネット上で公開されているさまざまな情報が広く使われているものと考えられています。そのため、個人的な情報や意見などが回答に使われる可能性があります。
また、こうした問題の1つの対策として、OpenAI社は2023年4月に対話履歴をオフにする機能を追加することを発表しました。企業側はChatGPTを介してプライバシー侵害や著作権侵害を起こさないよう、ポリシーと要件を策定するところから始める必要があるでしょう。
ChatGPTにかかわらず生成AIに著作権が認められない事例
反対に、ChatGPTによって生成したコンテンツは自社の著作物となるのかという問題もあります。これに関して、アメリカの著作権局はAIが作成した画像は著作権登録の対象にならないと判断しています。つまり、少なくともアメリカでは自社の著作物であると主張できないということになりますので、注意が必要です。
法人のガバナンス意識とChatGPTの倫理観
次に、倫理的な観点について詳しく見ていきましょう。
ChatGPTによる回答に対する信頼性の担保
ChatGPT自身が回答していた通り、ChatGPTの回答は必ずしも正しいものではありません。
ChatGPTに限らず、生成AIにはハルシネーション(幻覚)と呼ばれる現象が起こることが指摘されています。法人利用する際には、精度が求められるようなケースでは利用しないなど利用範囲を定めたり、公開前に人の目によるチェックを入れたりといった対策が求められます。
フェイクニュースやサイバー攻撃などへの対応
中国ではChatGPTを使ったフェイクニュースが拡散される事件が発生しており、今後、企業はChatGPTを悪用した外部からの攻撃にも備えておく必要があるといえます。
世論誘導やステルスマーケティングなどの悪用
ChatGPTを使うことで、フェイクニュースだけでなく、世論誘導やステルスマーケティングといった非倫理的な目的のコンテンツ作成も簡単に行えるようになります。自社でChatGPTを利用するしないにかかわらず、業務内で扱う情報ソースの信頼性を担保するよう、教育等を行っていくなどの対策が求められます。
ChatGPTは利用ポリシーを定義し活用をするべき
ChatGPTを自社で積極的に活用していくにせよ、慎重に対応していくにせよ、企業はまず組織としての利用ポリシーを明示し、統制をとっていく必要があるといえます。
従業員個々の判断によって利用され、トラブルを引き起こすことのないように先手を打ちましょう。
その上で、ChatGPTも従業員と同じように、いかに育て、いかにコントロールしていくのかを検討していくことが重要です。
今後も世界中でChatGPTをはじめとする生成AIは発展し、利用が進んでいくものと考えられます。強力なツールであるからこそ、今回紹介した点を踏まえて、安全に運用できる体制を整えていきましょう。
ChatGPTの自社での活用方法を検討する
ChatGPTは社内の業務生産性を向上させることは、もはや疑いのない事実だと考えています。
反面、上述のとおりChatGPT利用にはリスクがあります。
そこでまずは、以下のステップで社内でのChatGPT利活用を検討してみたらいかがでしょうか。
- ChatGPTやChatGPTを使ったサービスに触れてみる
- 社内業務のどこに使えるの具体的に検討する
- その社内業務におけるChatGPT利用時のメリットとリスクを洗い出す
- リスクを評価して、対応が必要なリスクに対してヘッジ(人間が介在する運用ルールなど)する
ChatGPTを使って何ができるかを検討する際はぜひ当社のCRMプラットフォーム「クライゼル」に実装された、ChatGPTによるデータベースとフォーム作成機能をお試しください。無料でお試しいただけます。
本機能を使えば、いままで作成に時間がかかっていた、顧客調査アンケート、市場調査アンケート、従業員調査アンケート、webiner申込フォーム、お問合わせフォームなど多様なフォーム作成業務でChatGPTの能力を活用いただけます。
きっと、これら作成業務にかかる時間を大幅に削減できるとおもいます。
弊社が提供をするCRMプラットフォーム「クライゼル」ではChatGPTと連携して、データベース作成・Webフォーム作成をAIが支援する機能を提供しております。是非合わせてご覧ください。