ChatGPTの歴史|生成AI時代のマーケティング
ChatGPTが大きな話題を呼ぶ中、ChatGPTのマーケティングへの活用を検討している企業も多いのではないでしょうか。この記事では、AI活用の基礎知識としてChatGPTやAIの進化の歴史を振り返りながら、マーケティング分野への活用について探ります。
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目次[非表示]
- 1.ChatGPTの変遷を振り返る
- 1.1.ChatGPT 2022年11月に公開
- 1.2.リリース後わずか2ヶ月でユーザー数1億人を突破
- 1.3.2023年、米Microsoft社が開発元のOpenAIに100億ドル規模の投資を発表
- 1.4.API機能のリリースにより日進月歩でプロダクトが誕生する現在
- 2.警鐘を鳴らす世界的言語学者チョムスキー氏の指摘
- 3.AIの進化おけるこれまでの学習モデルと開発の歴史
- 3.1.1980年代~90年代の回帰型ニューラル・ネットワークモデル
- 3.2.1997年のLSTM(Long Short – Term Memory)ネットワークモデル
- 3.3.2017年のトランスフォーマーモデル
- 3.4.2018〜2019年のGPTとGPT-2の大規模言語モデル
- 3.5.2020年の人間性を宿す驚異的な進化と有害な問題も抱えるGPT-3モデル
- 3.6.2022年5月~7月のOPT、BLOOMといった世界的参戦
- 3.7.2022年11月のChatGPTとして認知されるGPT-3.5の誕生
- 4.飛躍的な進歩を遂げる生成AIをリードするGPTの進化
- 4.1.GPT-3.0とGPT-3.5の違い
- 4.2.GPT-3.5 と GPT-4の違い
- 5.一つの産業革命かシンギュラリティか。好奇心から自分の「手」で考える
- 6.CRMプラットフォーム「クライゼル」とChatGPTが連携
ChatGPTの変遷を振り返る
GPTはテキスト生成AIのことで、その技術を活用してチャット形式のWebサービスとして展開されているのがChatGPTです。ここではまず、ChatGTPの変遷について見ていきましょう。
ChatGPT 2022年11月に公開
ChatGPTは OpenAI社が開発したテキスト生成AI「GTP-3.5」を活用したチャット形式のWebサービスとして、2022年11月30日に公開されました。
リリース後わずか2ヶ月でユーザー数1億人を突破
汎用的な対話AIとして硬化後すぐに大きな注目を集め、公開後5日間でユーザー数100万人、2ヶ月間でユーザー数1億人を突破しました。
2023年、米Microsoft社が開発元のOpenAIに100億ドル規模の投資を発表
2019年からOpenAI社に多額の投資を行ってきた Microsoft社が、2023年1月に100億ドル規模の追加投資を行ったことでも話題になりました。
API機能のリリースにより日進月歩でプロダクトが誕生する現在
公開後もさらなる改良が行われており、2023年3月にはChatGPTのAPIを公開。また、元となるテキスト生成AIも「GTP-4」をリリースなど、急激な進化を続けています。
警鐘を鳴らす世界的言語学者チョムスキー氏の指摘
ChatGPTが世界中で話題になる中で、その熱狂ぶりに警鐘を鳴らす人もいます。言語学の世界的権威であるノーム・チョムスキー氏はニューヨーク・タイムズに掲載された連名による寄稿の中で「極めて深刻な欠陥は、知性の最も重要な能力を欠いていることだ」と綴りました。
実際に、ChatGPTは文章の意味や真偽などは判断しておらず、しばしば間違った内容を回答する「幻覚(ハルシネーション)」が起こることが指摘されています。
AIの進化おけるこれまでの学習モデルと開発の歴史
ここで、ChatGPTでも用いられている自然言語処理分野の学習モデルと開発の歴史について振り返ります。
1980年代~90年代の回帰型ニューラル・ネットワークモデル
1980年代〜90年代に誕生した回帰型ニューラル・ネットワークは、順次データや時系列データを処理できるネットワークモデルです。現在もディープ・ラーニングを支える基本的な技術として、言語翻訳や自然言語処理、音声認識など幅広い分野で活用されています。
1997年のLSTM(Long Short – Term Memory)ネットワークモデル
1997年には、回帰型ニューラル・ネットワークを改良し、より長く過去のデータを保持できるようにしたLSTM(長・短期記憶)ネットワークモデルが誕生しました。
2017年のトランスフォーマーモデル
2017年に自然言語処理に関する論文で発表されたトランスフォーマーモデルは、これまでの学習モデルに比べ、大幅に学習時間を短縮でき、かつ精度が高いという画期的なものでした。これにより、大量のテキストデータを使って学習する大規模言語モデルが実現可能になりました。現在も自然言語処理の学習モデルはこのトランスフォーマーモデルをベースとして進化し続けていると言えます。
2018〜2019年のGPTとGPT-2の大規模言語モデル
OpenAI社が開発した大規模言語モデルであるGPTは2018年に誕生し、続くGPT-2もその数ヶ月後に誕生しました。これらは教師なし学習とトランスフォーマーを組み合わせたもので、汎用目的型AIの開発に向けて大きな一歩を踏み出しました。
2020年の人間性を宿す驚異的な進化と有害な問題も抱えるGPT-3モデル
2020年に発表されたGPT-3モデルでは、既存の技術を超大型化することでより多くのデータで学習できるようになりました。GPT-2のパラメーターが15億だったのに対し、GPT-3では1750億にも及びます。一方で、インターネットで収集したテキストデータで学習することで、多くの偽情報や偏見なども吸収してしまうという新たな問題にも直面しました。
2022年5月~7月のOPT、BLOOMといった世界的参戦
2020年以降、GPT-3に追従する形で多くの企業・組織が大規模言語モデルに参戦するようになります。そして、2022年にはメタ社がGPT-3を再構築したOPTを無償で公開。また、1000人以上のボランティア研究者たちが開発したBLOOMも公開されました。
2022年11月のChatGPTとして認知されるGPT-3.5の誕生
2022年11月30日にChatGPTが公開されるやいなや、世界中で大きな反響を呼びました。その内部で動いているのは、GPT-3.5と呼ばれるモデルです。パラメーター数は3550億に増えただけでなく、人間のフィードバックによる強化学習によって、人間が違和感を覚えず非倫理的でもない回答ができるようチューニングされています。
飛躍的な進歩を遂げる生成AIをリードするGPTの進化
ここで改めて、GPTの進化についてまとめていきましょう。
GPT-3.0とGPT-3.5の違い
GPT-3.0とGPT-3.5の主な違いはパラメーターの数にあります。GPT-3.0では1750億であったのに対し、GPT-3.5では3550億と約2倍に増えました。
GPT-3.5 と GPT-4の違い
GPT-3.5とGPT-4の違いとしては、テキストだけでなく画像の入力もできるようになったことに加え、数学や化学、法律、経済学、コーディングなどの分野での精度が向上したことが挙げられます。筋道を立てて推測し、論理的に結論を導き出す能力が向上したといえるでしょう。
一つの産業革命かシンギュラリティか。好奇心から自分の「手」で考える
ChatGPTの登場は世界中に大きな衝撃を与えており、「産業に革命をもたらす存在」「シンギュラリティ(AIが人間の知能を超える転換点)も近いのではないか」とも言われています。一方でまだ課題が残っていることも事実であり、現在はたたき台の作成や準備段階での作業にAIを導入するといった活用方法が主体となるでしょう。
マーケティングに限らずどの分野においても、新たな付加価値を生み出し、個々のユーザーに寄り添った仕事は人間だからこそできる得意分野と言えます。
まずは興味を持って自身の手で使ってみることから始め、その活用方法を模索していくことが重要です。
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