担当者必見!メールクラウド化を成功させるための3つのコツ
メールは業種・業界を問わず多くの企業において欠かせない存在です。
従来のメールといえば自社のサーバーやパソコン内でデータを管理するのが一般的でした。
しかし、インターネットやモバイルデバイスの普及にともない、外部のサーバーを利用しクラウド上で保管できる環境が整っています。
そもそもクラウド化とは「自社の端末やサーバーでない、外部のシステムにデータを保存すること」を意味しています。
クラウド化を進めることで業務効率化や人件費削減をはじめとするさまざまなメリットがあります。
本記事ではメールクラウド化の概要から、その仕組みやメリット・デメリット、メールクラウド化を成功させるための3つのコツをご紹介いたします。
この記事のポイント!
- メールクラウド化とは外部のサーバーにデータを保管すること
- メールクラウド化には業務効率化や容量などのさまざまなメリットがある
- デメリットや失敗するケース例も踏まえて、導入を検討することが重要
- メールクラウド化を成功させるためには3つのコツを押さえる
目次[非表示]
- 1.クラウドサービスとは(クラウドサービスの種類)
- 1.1.個人向けメールクラウド
- 1.2.企業向けメールクラウド
- 2.メールクラウドの仕組み
- 3.メールクラウド化の4つメリット
- 3.1.業務効率化
- 3.2.コスト人件費の負担削減
- 3.3.容量が大きい
- 3.4.場所の制限がない
- 4.メールクラウド化の3つのデメリット
- 4.1.料金面
- 4.2.セキュリティリスク
- 4.3.カスタマイズが難しい
- 5.メールクラウド化を進めた方が良い3つのケース
- 5.1.ケース1:電子メールやスケジューラーなどを使いたい
- 5.2.ケース2:自社で運用しているサーバーの運用負担を軽くしたい
- 5.3.ケース3:社内でバラバラに保有されている情報を集約して有効活用したい
- 6.よくあるメールクラウド化で失敗する4つのケース
- 6.1.ケース1:結局費用が下がらない
- 6.2.ケース2:機能を使いこなせず運用工数が下がらない
- 6.3.ケース3:既存のメールシステムとの互換性が低い
- 6.4.ケース4:セキュリティーシステムが使えない
- 7.メールクラウド化をうまく進めるための3つのコツ
- 8.まとめ
クラウドサービスとは(クラウドサービスの種類)
クラウドサービスとは、自社に端末やサーバーでなく、外部のサーバーにデータを保管することです。
クラウドサービスを利用することで、インターネット環境であれば端末を問わずデータを引き出すせる特徴があります。
またメールクラウド化とは、端末に届くメールデータを外部のサーバーに保管することです。
クラウドサービスには、主に個人向けと企業向けの2種類が存在します。
ここでは、それぞれの特徴をご紹介していきます。
個人向けメールクラウド
一般的に「フリーメール」と呼ばれるメールは個人向けのメールクラウドです。
代表的な個人向けメールクラウドとしては3つ。Googleの「Gmail」やYahoo! JAPANの「Yahoo!メール」、Microsoftの「Hotmail」が挙げられます。
これらはアカウントを作成することで、どの端末からでもスピーディにメールを送受信・確認ができます。
企業向けメールクラウド
容量の大きさやセキュリティー面など、ビジネスに特化した特徴をもつのが企業向けメールクラウドです。
また個人向けメールクラウドよりも機能やサポート体制が充実しています。
その反面、利用するメールクラウドによって料金が発生するケースもあります。
メールクラウドの仕組み
メールクラウドは3つのプロセスで送信・受信が行われます。
まず送信者のメールは、送信者のもつメールサーバーへ送られます。次に「DNSサーバー」で受信者のアドレスを確認・照合されます。
正しい送信先であると認識されたら、受信者のサーバーを介して受信者の端末にメールが届きます。
また受信者のアドレスを確認・照合する「DNS(Domain Name System)サーバー」は、サーバーの住所といわれる「IPアドレス」が管理されている場所のことを指します。
メールクラウド化の4つメリット
メールクラウド化が進む背景には、主に4つのメリットが存在します。
業務効率化
インターネットが接続できる環境であれば、いつでもどこでもメールサービスを利用できます。
そのため時間と場所に縛られずメールでのやり取りを行うことができるので、効率良く業務を勧めることが可能です。
コスト人件費の負担削減
メールクラウド化することで、サーバーを稼働させるための電気・場所に関連する費用や運用・監視するための人件費・負担の削減が可能です。
ただし自社サーバーであれば構築・運用を行う必要があるので、一般的に専門知識をもつエンジニアが必要です。
緊急時には一人で対処するのが難しいため、複数人のインフラエンジニアの確保が必要なケースもあり、その分人件費がかかります。
容量が大きい
メールクラウドは容量を必要に応じて容量を変更できるので、容量を気にせずメールを利用し続けられます。
メールは削除しない限り日を追うごとに増えていきます。
実際に企業間取引ではエビデンスとして残しておく必要があるメールも存在します。
そのため、削除できないケースも多いですが、メールクラウドに保存することで、容量を気にすることなく業務に当たることができます。(容量に応じて金額が変わることがあります)
場所の制限がない
メールクラウドならインターネット環境のみで、外出先や自宅など社内にいない時でもメールを利用できます。
自社のサーバーでは、社内で保有する端末でしかデータ管理やメールの送受信ができず、場所に制限があります。
メールクラウド化の3つのデメリット
料金面
初期費用がかからないケースが多いメールクラウドですが、一般的に利用者が増えれば増えるほど課金される仕組みです。
そのため数千人以上のユーザーや顧客リストを保有する企業であれば、割高になるケースもあります。
結果、自社サーバーで管理した方が低コストになる可能性があります。
セキュリティリスク
基本的にクラウドサービスでは最新のセキュリティが提供されます。
しかしインターネット上にデータを保管するという仕組み上、自社のサーバーよりもセキュリティー面に劣ることもあります。
そのため機密性の高いデータは自社サーバーに保管するなど、使い分ける必要もあるでしょう。
カスタマイズが難しい
クラウドサービスは提供側が構築しているシステムを利用するため、自社の業務に合わせてカスタマイズしにくい傾向にあります。
オリジナルのインターフェースを構築したい場合や機能を追加する場合には、メールクラウドでは難しい場合があります。
メールクラウド化を進めた方が良い3つのケース
これまでメールクラウド化のメリットやデメリットをお伝えしていきました。
それらを加味した上で、ここではメールクラウド化を進めたほうが良い3つのケースをご紹介します。
ケース1:電子メールやスケジューラーなどを使いたい
メールでミーティングや商談などを決定し、スケジューラーに別途入力する方も多いのではないでしょうか。
その場合、一般的にはメールとスケジューラーをそれぞれ稼働させる必要があります。
しかし、一般的にメールクラウドでは電子メールとスケジューラーを連動できます。
例えばGoogleの「Gmail」であれば「Googleカレンダー」との連携が可能です。
そのため、クライアントとの約束がメールで決定した際、すぐにカレンダーに登録できます。
一貫してスケジューリングもできるので、メールクラウドであれば業務効率化につながるので、導入がおすすめです。
ケース2:自社で運用しているサーバーの運用負担を軽くしたい
自社でサーバーを運用する場合には、専門技術をもつインフラエンジニアが必要です。
というのも、サーバーのアップデートやトラブルなどの際には、専門知識を有するエンジニアの存在が必要不可欠だからです。
一方で、メールクラウドを利用する場合、サーバーの運用や管理も全て任せられるので、自社で運用する負担やコストを軽減できます。
ケース3:社内でバラバラに保有されている情報を集約して有効活用したい
自社サーバーや端末だけでデータを保管している場合、保有者が曖昧で必要な情報をスムーズに引き出せないケースがあります。
よくあるメールクラウド化で失敗する4つのケース
ケース1:結局費用が下がらない
メールクラウドはコストダウンできるイメージをお持ちかもしれません。
しかし、かえって高くついてしまうケースも珍しくありません。
実際に企業のメール利用状況(人数や容量)によっては、自社サーバー管理の方が低コストになる場合もあります。
またコストダウンできるタイプのシステムではないケースもあるため、導入の際にはニーズに合った適切なメールクラウドを選定することが重要です。
ケース2:機能を使いこなせず運用工数が下がらない
コスト削減と業務効率化などメリットを求めてメールクラウド化を導入する企業も多いでしょう。
しかし実際に利用してみると、機能を使いこなせず運用工数がむしろ増えてしまうケースもあります。
そのため、初めての導入の際には社員のスキルや経験を確認した上で、メールクラウドサービスを選ぶことがポイントです。
ケース3:既存のメールシステムとの互換性が低い
全てのメールクラウドシステムが、既存のメールシステムと親和性が高いとは言い切れません。
実際、インターフェースや機能面の互換性が低いと、使い方がわかりにくく生産性に悪影響がでる可能性もあります。
既存のメールシステムから移行する際には注意が必要です。
ケース4:セキュリティーシステムが使えない
自社サーバーではセキュリティー対策として、ウイルス対策や暗号化などのセキュリティー対策ソフトを利用しているでしょう。
しかしメールクラウドでは、既存のセキュリティーシステムが利用不可能なケースがあります。
そのため継続して利用できるか事前に確認することが重要です。
メールクラウド化をうまく進めるための3つのコツ
メリットの多いメールクラウド化ですが、デメリットや失敗例が存在するのも実情。
しかし、メールクラウド化を進めるためのコツを、押さえおくことで適切に導入できるでしょう。
1.「何のために導入するのか」を明確にする
先にお伝えしたようにメールクラウドには複数のメリットがありました。
その恩恵を受けるために重要なのが、導入の目的を明確にすることです。
それを軸に据えることで、自社に最適なメールクラウドを導入できます。
また社員へ共有する際にも、導入の目的を明確にすることで、効果的に落とし込むことができます。
2.クラウドでどんな業務をするのか、そのために適したクラウドサービスを選ぶ
クラウドサービスには、自社サーバーのように業務内容に合わせて自由にカスタマイズしにくいといったデメリットがありました。
そのため、どのような業務に対し、どう活用していきたいのかを明確にした上で、適したクラウドサービスを選ぶことが大切です。
3.社内で導入メリットの共有・説明の場をしっかりと作る
メールクラウド導入の目的を説明する場を設けることが重要です。
既存メールシステムの問題や課題、それがメールクラウドによってどのように改善できることなど、導入の背景を共有することが重要です。
実際に、社員が導入目的やメリットが理解せずに使っていても、メールクラウドを使いこなせず、効果を期待できません。
まとめ
ここではメールクラウドについてご紹介してきました。
メールクラウドの特徴や仕組み、メリット・デメリットを理解した上で、導入可否を決めることが失敗しないためのポイントです。
メールクラウドの導入を検討している担当者の方は、今回ご紹介したメールクラウドの特徴や、メールクラウド化を成功させるための3つのコツを参考に導入を進めてみてください。