kintoneで問い合わせフォームを作成する手順や注意点を解説

kintone

サイボウズが提供しているクラウドサービス「kintone(キントーン)」は、2021年4月末時点で2万を超える企業が導入しています。導入担当者の部門内訳は93%が非IT部門(2020年12月時点)となっており、専門的な知識やスキルがなくてもさまざまな用途に利用できるサービスです。今回は、kintoneを利用して問い合わせフォームを作成する手順やメリット、および注意点について解説します。

なお、弊社提供の「kintone連携フォーム」を活用すれば、簡単かつ独自性の高い問い合わせフォームの作成も可能です。少しでも気になった方は、ぜひ利用をご検討ください。
>>kintone連携|フォーム連携サービス|クライゼル

問い合わせフォームを設置するメリット

企業のHPに問い合わせフォームを設置することで、サイト運営者とユーザー双方にとって複数のメリットが発生します。最初に、それぞれの視点から考えられるメリットについて見てみましょう。

サイト運営者側のメリット

サイト運営者側に発生するメリットには、以下のような点が挙げられます。

  • 欲しい情報を得られる
  • 迷惑メール対策になる
  • いつでも受付できる
  • 一次対応が迅速化する

各メリットについて詳しく解説します。

欲しい情報を得られる

問い合わせフォームを作成する際に、運営者側が欲しいと思う情報入力項目を任意で設定できます。そのため、漏れなく必要情報を獲得できるというメリットがあるのです。

迷惑メール対策になる

しかし、メールアドレスの記載は迷惑メールの被害にあう恐れもあります。問い合わせフォームを設置し、reCAPTCH等で迷惑入力を予防することですることで、迷惑メールや迷惑投稿の被害を避けることが可能です。

いつでも受付できる

問い合わせフォームは、24時間365日利用可能です。営業時間外に寄せられた問い合わせに対しても対応できるため、潜在顧客を逃しません。

一次対応が迅速化する

自動返信メール機能を備えていると、ユーザーがフォームを通して問い合わせを送信した後、受信した旨のメールがユーザーに届けば企業への信頼や安心感につながります。

また、個々の問い合わせに対して対応する人件費の削減にもつながります。

ユーザー側のメリット

ユーザーにとっても、問い合わせフォームは下記の複数のメリットがあります。

  • 電話やメールよりも負担が少ない
  • 問い合わせ内容を確認できる
  • 問い合わせが届いたかどうか確認できる

各メリットについて詳しく解説します。

電話やメールよりも負担が少ない

電話による問い合わせは、企業の営業時間内でなければ行えません。また、電話そのものに苦手意識を持っているユーザーも少なくないため、フォームへの入力と送信のみで完結する問い合わせフォームは非常に利便性が高いといえます。

メールによる問い合わせは、「宛先の確認」「問い合わせ内容を自分で考えて入力」など、それなりにユーザー側の負担が多い手法です。

しかし、問い合わせフォームならばすでに入力項目が設定されているため、ユーザーはそれに沿って入力していけばよいのです。

問い合わせ内容を確認できる

一般的な問い合わせフォームの場合、ユーザーが入力した後は確認画面に遷移します。

ユーザーは入力内容に誤りがないかどうか確認できるため、安心感につながるだけでなく、内容について企業から確認の連絡が来ることを防げます。

問い合わせが届いたかどうか確認できる

問い合わせフォームに自動返信機能が備わっている場合、ユーザーからの問い合わせを受信した旨のメールが届けば安心できるでしょう。

kintoneで問い合わせフォームを作成する方法

ここでは、kintoneで問い合わせフォームを作成する際の方法について解説します。

標準機能で作成する

kintoneには、「アプリ」と「スペース」という機能が標準で備わっています。

アプリは、データの蓄積・一覧・検索ができるデータベース機能と、コミュニケーション機能を兼ねているもので、スペースは業務円滑化に貢献するコミュニケーション機能です。

kintoneではkintoneアカウントを持っている人が入力できるフォームを作成できます。

なお、kintoneアカウントを持っていない社外の人がデータを入力できるフォーム作成には後述の連携サービスが別途必要になります。

問い合わせフォームを作成する際には、アプリの「問い合わせ管理」を選んで作成していきます。実際の作成手順については後述しますが、この問い合わせ管理アプリを使えば、次のような3点が可能となります。

  • 対応状況の見える化
  • 対応履歴の共有
  • 蓄積データの活用

それぞれ詳しく解説します。

対応状況の見える化

受信した問い合わせに関する対応状況がグラフとして見える化されるため、未対応案件が直感的に把握でき、対応漏れを防ぎます。

対応履歴の共有

問い合わせへの対応履歴を時系列順で記録できるため、問い合わせ対応のノウハウを共有可能です。

また、対応に困った場合でもコメント欄を利用することで相談ができます。

蓄積データの活用

問い合わせ対応データは、オペレーターごとの担当件数や問い合わせの種別を集計します。こうした蓄積データを活用することで、作業の分担や教育に力を割けるのです。

連携サービスを活用する

kintoneには標準機能だけでなく、「拡張機能」もあります。この機能を活用すれば、kintone専用の機能拡張サービスや、外部サービスとの連携が可能です。

kintoneとの連携が可能なサービスは、2023年8月時点で237件もあるため、用途に応じてサービスを選べます。

問い合わせフォームの作成に活用できる連携サービスとしては、弊社のCRMプラットフォーム「クライゼル」やトヨクモ社提供の「フォームブリッジ」、Googleが提供している「Googleフォーム」が代表的です。それぞれの特徴や利用方法については後述します。

kintone標準機能で社内問い合わせフォームを作成する方法

続いて、kintone標準機能で社内用問い合わせフォームを作成する手順について解説します。

kintoneの標準機能ではkintoneのユーザライセンスを持っている人が登録できるフォームを作成することができます。

例えば全社員がkintoneのユーザライセンスを持っていれば、kintoneの標準アプリで作成した「お問合わせフォーム」に社員が問合せを入力することが可能です。

問い合わせ対応アプリを作成する

kintoneの標準機能で問い合わせフォームを作成する際は、「問い合わせ対応」アプリを作成するところから始めます。

「問い合わせ対応」アプリの選択、ExcelやCSVファイルの読み込みによるアプリ化、ドラッグ&ドロップという直感操作で作成できるため、特別なスキルや専門知識がなくても問題ありません。

実際の操作方法について

実際にアプリを作成する際は、リッチテキスト・日付・チェックボックス・計算など28個のパーツを組み合わせることで、どのような業種の仕事にも活用できるアプリが作れます。

kintoneのアプリ作成は、実際に触って確かめることも可能です。以下、公式のアプリ作成画面よりぜひ試してみてください。
>>さわってみよう!kintoneアプリ作成画面|ドラッグ&ドロップでかんたん

kintone標準機能で作成する問い合わせフォームではできない点

kintoneは、社内問い合わせフォームをはじめとしたさまざまな用途に活用できるものの、標準機能のみでは社外からのお問合わせを受け付けるお問合わせフォームを作成することはできません。そのため、連携サービスを併用してはじめて社外向けの問い合わせフォームを作成できます。

ここでは、kintone標準機能で作成する問い合わせフォームでは実現が難しい、またはできない点について解説します。

kintoneユーザ以外からのお問合わせ入力

kintoneの標準機能で作成するフォームは、社内のkintoneユーザ向けのお問合わせ入力用と認識ください。kintoneは社内の業務改善プラットフォームですので、kintoneのユーザライセンスがない方からのお問合わせ入力は、標準機能だけではできないのです。

条件分岐は連携サービスありき

問い合わせフォームにあると便利な機能として、「条件分岐」が挙げられます。

ユーザーがある選択肢を選ぶと、次の選択肢が自動的に、必要な項目だけ表示される機能です。ユーザー視点では、数多くの項目が表示されたままの問い合わせフォームは分かりづらいため、離脱につながる恐れがあります。ゆえに、条件分岐はユーザーに寄り添った機能といえるでしょう。

しかし、kintoneの標準機能だけでは、この条件分岐機能が利用できません。別途、連携サービスを活用する必要があります。

独自ドメインが取得できない

kintoneの利用に際しては、サブドメインは設定できるものの、自社の独自ドメインとして設定はできません。

例として、「https://example.cybozu.com/」というURLの場合、「example」の部分はサブドメインとして自由に設定できますが、「cybozu.com」の部分はkintone所有のドメインであるため自社独自の設定ができないのです。

お問合わせフォームに独自ドメインを設定したい場合は連携サービスを使う必要があります。

独自ドメインを使うことで、お問合わせを入力する方に企業としての信頼性をアピールできるメリットがありますので、連携サービスの利用はお問合わせフォームには高い効果があります。

デザインに制限がある

kintoneでは、ある程度デザインをカスタマイズできます。

しかし、カスタマイズ性は高くなく、他社との差別化を図るためには物足りない印象を受けるかもしれません。あくまでも標準機能のみでデザインする場合のため、独自のデザインを生み出したい場合は連携サービスやコーディングスキルの活用が効果的でしょう。

kintoneで問い合わせフォームを作成するなら連携サービスとの併用が便利

前述した通り、kintoneの標準機能のみで問い合わせフォームを作成しようとすると、「かゆいところに手が届かない」状態になってしまうかもしれません。そのため、よりユーザーに寄り添った問い合わせフォームを作成したいのであれば、連携サービスの活用をおすすめします。

連携サービスを活用することで何ができるようになるのか見てみましょう。

kintoneユーザ以外からのお問合わせ入力

kintoneのユーザライセンスがない方からのお問合わせ入力が可能になります。

問い合わせ内容の自動連携が可能

連携サービスを活用すれば、ユーザーからの問い合わせ内容を手動でkintoneに入力する必要がなくなります。

リアルタイム連携による脱属人化によって、「ヒューマンエラーの防止」「人件費削減」といったメリットを享受できるでしょう。

また、お問合わせフォームに入力されたデータをkintoneとslack両方に連携することが可能な連携サービスもあります。

これにより、slackで通知を受け取り、その上でkintoneでお問合わせ管理や対応をする等が実現できます。

自社デザインにカスタマイズ可能

標準機能では限られていたデザインのカスタマイズも、連携サービスを活用することで可能になります。

HTMLやCSS、JavaScriptの操作、そして背景色や画像の埋め込みはもちろん自社ロゴの設定など、フルカスタマイズによる自社独自のデザインを設定可能です。

高度な諸設定も可能

連携サービスでは、以下のような便利な機能についても設定することができます。

  • 自動メール返信設定
  • 管理者等へのメール通知
  • 条件分岐設定
  • ステップフォーム設定
  • IPアドレス制限やreCAPTCH設定
  • 重複登録制限

など。

各項目について解説します。

自動返信メール設定

ユーザーが問い合わせフォームに入力したメールアドレス宛に、受信した旨のメールが自動で送信されます。

ユーザーからすると、問い合わせが問題なく届いたことへの安心感や、企業への信頼につながり、サイト運営者側にとっては対応人員の削減によるコストカットができるでしょう。

管理者等へのメール通知

お問合わせフォームに入力があった際に、任意のメールアドレスに通知することが可能です。

例えば、お問合わせフォームの選択項目に応じて、メール通知の送り先を変えることも可能なサービスもあります。

興味があるサービスAに関するお問合わせに関してはサービスAの担当者/部署にメールを送り、興味があるサービスBに関するお問合わせに関しては、サービスBの担当者/部署にメールを送るような場合に有効です。

条件分岐設定

ユーザーが入力した項目に基づき、次に入力する項目が自動的に適切なもののみ表示される仕組みです。

ユーザーは表示される項目に従って入力していけばよいため、負担が減ります。

ステップフォーム設定

問い合わせフォームを複数ページに設定するステップフォームは、ユーザーの入力ストレス減少につながります。

1ページに大量の入力項目が並んでいる問い合わせフォームは、それだけでユーザーの離脱につながりかねません。

ステップフォーム形式にすれば、入力項目数は変わらずとも1ページの入力数は減少するため、ユーザーの入力ストレスを回避できる可能性が高まるでしょう。

IPアドレス制限やreCAPTCHA設定

お問合わせフォームにはスパムが投稿されることがあります。よって、スパム投稿を予防する機能があるフォームサービスを連携使用すると安心です。

フォームにアクセスできるIPアドレスを制限する機能があれば、スパム投稿されたIPを登録することでそのIPアドレスからの再度のスパム投稿を防げます。また、reCAPTCHAを実装すればスパムBOTからの投稿を予防できます。

重複登録制限

キャンペーンなどで一IDで一回応募できるキャンペーンフォームを作成する場合、同じID(メールアドレス)の入力時に、「すでに応募しています」等のエラー表示をして、入力を受け付けないことが可能になります。

キャンペーンや、アンケートを実施する際によく使う機能ですのでkintoneに連携するフォーム側の機能にこの機能があると便利です。

kintoneの問い合わせフォーム作成でおすすめの連携サービス

これまで解説した通り、標準機能のみではやや機能は劣るため、連携サービスの活用が必要です。

ここからは、問い合わせフォームの作成に際しておすすめの連携サービスについて紹介します。

クライゼル

クライゼルは、弊社が提供している「CRM(顧客関係管理)遂行の上で必要な機能を各種実装したクラウドサービス」です。問い合わせフォームの作成も可能であり、kintoneと連携可能な「kintone連携フォーム」も提供しています。

特徴として、「入力データの自動連携」「自社独自のデザインにフルカスタマイズ可能」「独自ドメインの設定可能(オプションサービス)」「個別IDパスワードによる情報更新」などが挙げられます。

他社との差別化を図りつつ、効果的な問い合わせフォームを作成するのには最適なサービスです。

>>クライゼルのkintone連携フォームに関しての詳細はこちらをご覧ください。

フォームブリッジ

フォームブリッジは、kintoneで問い合わせフォームを作成する際におすすめできる連携サービスです。

自動連携やマウスのみで完結する簡単操作、自由なカスタマイズ性など、自社独自の問い合わせフォームを作成するのに最適な機能を多数備えています。

Googleフォーム

kintoneで問い合わせフォームを作成する際には、Googleフォームとの連携を視野に入れてもよいでしょう。

kintoneとGoogleフォームを連携させるためには、それぞれのアカウントが必要です。Googleフォームは、Googleアカウントがあれば無料で作成できます。

Googleフォームと連携する場合は、「Googleフォームの作成」「kintoneアプリの作成」「Google Apps Scriptによるプログラム作成」の順で開発を進めます。詳細については、以下の記事をご参照ください。

>>kintoneとGoogleフォームは連携可能!連携ツールも紹介

問い合わせフォーム作成ならクライゼルがおすすめ

クライゼルでは、kintone連携フォームも提供中ですが、「お問い合わせフォーム作成」サービスも提供しています。フォームの作成に際してはAIによる支援があるため、迅速に作成可能です。

APIやwebhookを使用したシステムのリアルタイム連携や、問い合わせフォームに限らない多様な目的に合わせてフォームを作成できる機能などを備えています。また、SSLやスパムメール対策はもちろん、PマークやISMS取得済みのため、高いセキュリティ機能を有している点も魅力です。

問い合わせフォームを作成するのであれば、弊社提供のクライゼルをぜひ試してみてください。

詳しくは、カンタン作成ならクライゼルをご覧ください。

まとめ

kintoneでは、標準機能のみで問い合わせフォームを作成することも可能ですが、連携サービスを活用することでより効果の高いフォームを作成できます。

今回紹介した注意点や連携サービスを参考にしつつ、自社独自の問い合わせフォームを作成するのに役立ててみてください。

弊社の多彩な業務で使える高セキュリティなCRMプラットフォーム「クライゼル」のカタログは下記からダウンロードいただけます。機能・料金表の記載もありますので、ぜひご覧ください。
クライゼルカタログ資料ダウンロードリンク
服部誠

トライコーン(株)Senior Vice President of Marketing。
Web広告、CRM、CDP、データ可視化などお客様のwebマーケティングの課題解決に長年従事。
Salesforce Marketing cloud メールスペシャリスト / アドミニストレータ / コンサルタントおよび、Salesforce アドミニストレータの各認定資格を保持。

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