Excel(エクセル)を使ってアンケートの作成から集計まで!方法や手順を解説

アンケートフォーム
アンケートフォーム

Excelの機能を使って「アンケートフォームを作りたい」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、Excelを使ったアンケートの作り方から、集計方法まで手順を詳しく解説します。

なお関数などの知見が不要で、シンプルなフォーム作成ツールをお探しであれば、クライゼルのフォーム作成ツールをご利用ください。

アンケート作成の準備

Excelでアンケートを作成する前に、まずは基本となるアンケート作成の準備を行います。

目標を明確にし、質問項目について考慮しておきましょう。これらをExcelでの作業と並行して行うと、中途半端なアンケートになるリスクもあるため注意が必要です。

目的を明確にする

アンケートの目的は、自社が達成したい目標をアンケート実施によって具体化することです。

例えば「顧客満足度の向上」や「リピート率の向上」などが目標になります。企業ごとに抱える課題や目標は異なるため、必ずしも同じではありません。目的が明確でない場合は、まずは現状分析を行いましょう。

現状分析では、既存の事業や商品・サービスにおける顧客との接点を抽出し、問題がある箇所を特定することが重要です。問題を特定したら、それを基にアンケートの目的を明確に設定しましょう。

質問を考慮する

アンケートの目的が明確になったら、次は質問について考えましょう。

質問方法によって得られるデータの質に影響があるため、注意が必要です。

例えば、「6月に旅行に行きたいか」と単純に問う設問と、「梅雨の時期の6月に旅行に行きたいか」と問う設問では、後者の方がバイアスがかかり、行きたくないと答える人が増える可能性があります。

また質問数にも注意しましょう。

質問数が多すぎると回答者の負担になります。負担が大きくなりすぎるとアンケートの途中で離脱される恐れがあります。そのため質問項目は最大でも10項目程度に抑えるようにしましょう。

もし10を超える項目を設けたい場合は、2つのアンケートに分割するなどの対策を検討することをおすすめします。

アンケートフォームをExcel(エクセル)で作成するメリット

アンケートフォームをExcelで作成するメリットはどのようなものでしょうか。

ここでは、コストがかからないこと、印刷に最適であることなどを解説します。

Excelさえあればコストがかからない

Excelさえあれば、ほかにコストがかからない点は、大きなメリットといえます。

ExcelなどのOfficeソフトは、会社のパソコンにインストールされている場合が多いため、ソフト購入での追加コストを考慮せずに作業を進められます。

印刷するのに最適

企業間でアンケート調査を行う際、郵送での調査票送付が求められるケースがあります。

そのような場合、オンラインでのアンケートフォームは意図通りに印刷ができないこともありますが、Excelを使ったアンケートフォームであれば、設定どおりの印刷が可能です。

回答者側で確認や控えのために印刷する場合でも、簡単に印刷ができます。

関数を使ってアンケートをまとめられる

Excelの関数が使えることが前提ですが、関数を使いアンケートを自在に集計できる点もメリットとなります。

Googleフォームなどでもスプレッドシートなどと連携することで集計が可能ですが、Excelはより細かく作りこめるため利便性を高められます。

慣れたソフトで作業できる

扱い慣れたソフトで作業ができる点も重要です。Excelであれば普段から触れている方も多いでしょう。

新しく覚えることが少なく済み、作業効率を落とすことなくアンケートフォームを作成できます。

アンケートフォームをExcel(エクセル)で作成するデメリット

Excelは元々表計算ソフトのため、アンケートフォームを作るにあたってはデメリットも存在します。

ここではデメリットを詳しく解説していきます。

関数を使用する必要がある

アンケートフォームを作るためには、関数を駆使する必要があります。

Excelを多少使える方でも、普段使わない関数には理解が及ばない場合もあるでしょう。

アンケートフォーム作成には一定のExcel知識が必要であり、初心者や中級者の方には明確なデメリットとなることもあります。

オンライン上で大量収集するには不向き

アンケートをオンライン上で大量に収集する場合、Excelでのフォーム作成は不向きです。

Excelで作成したフォームに回答を求める場合、メールでファイルを送付する必要があります。

BtoBならまだしも、BtoCで多くの顧客からアンケートを集める際、一人ひとりにフォームを送付することは現実的ではありません。この場合は別の方法でアンケートフォームを作る必要があるでしょう。

データが属人化しやすい

データの属人化もデメリットの一つです。

関数を使いこなすには一定の知識が必要で、習得にも時間がかかります。またセルごとに関数を書き込んでいくため複雑になりやすく、データが作成者にしか扱えない形式になりがちです。

そのためデータが属人化しやすく、担当者が異動や退職した際にデータを活用できなくなる可能性があります。

デザイン性がない

Excelは元々が表計算ソフトのため、アンケートフォームのデザイン性に限りがあります。

画像の埋め込みや、ヘッダー・フッターの追加は可能ですが、セルでの表示になるため、より高度なものを求める場合は違う手法を用いましょう。

また、アンケートフォームのデザインのテンプレートなどもないので、自力で設定しなければなりません。

Excel(エクセル)でアンケートフォームを作成する方法

Excelでアンケートフォームを作成する方法は、以下の4ステップです。

  1. 開発タブを表示させる
  2. 質問事項を入力
  3. 回答欄を入力
  4. シートの保護を設定

順番に紹介します。

1.開発タブを表示させる

初期状態のExcelは、アンケートフォームを作成するのに必要なパーツなどが見つからないようになっています。したがって、まずはそれらが入っている「開発」タブを表示させる必要があります。

はじめに「ファイル」をクリックし、左下に表示される「オプション」をクリックします。

次に、「リボンのユーザー設定」から「開発」のチェックボックスにチェックを入れ、「OK」をクリックしましょう。

この手順を行うとリボンに「開発」タブが表示されます。

2.質問事項を入力

質問事項をセルに入力していきましょう。空白のシートに、年齢や性別、ご意見・ご要望など、アンケート項目を入力します。

まずは入力したい位置のセルをクリックし、文字を入力していきます。このとき、セル内から「はみ出す」ように設定することで、セルより長い文字列を入力すると、文字列が勝手にセル内で折り返すことなく、セルから右にはみ出ていくようになります。

3.回答欄を挿入

質問事項を入力したら、次に回答欄を挿入していきましょう。

ここでは以下3つの回答形式と、その形式の回答欄を挿入する方法を解説します。

  • オプションボタン
  • チェックボックス
  • スクロールバー

オプションボタン

オプションボタンは「◎」で表記されるボタンです。例えば性別について「男性」「女性」「そのほか」などを選択いただく際に使用します。

これを挿入するには、「開発」タブから「挿入」をクリックし、「フォームコントロール」内の「オプションボタン」を選択しましょう。

その後、「◎オプション1」といったオプションボタンが挿入されます。この「オプション1」といった名前は、変更することが可能です。

なお挿入したままでは、挿入した分のオプションボタンの内、一つしかクリックできないようになっています。

これを項目ごとに分けたい場合は、「挿入」をクリックし、「フォームコントロール」内の「グループボックス」を選択しましょう。

すると選択範囲ができるようになるため、項目ごとに選択範囲をすることでグループ分けができます。

グループ分けはできましたが、このままだとグループ分けの枠線が邪魔に感じることもあるでしょう。

そのようなときは、「ホーム」タブの右端にある双眼鏡マークの「検索と選択」をクリックし、「オブジェクトの選択と表示」を選んでください。

選択の一覧が表示されるので、グループボックスの目のマークをクリックしましょう。これで、グループの枠線が消えました。

なお、「オブジェクトの選択と表示」が無効になっている場合があります。その場合は互換モードになっていないか確認してみましょう。

チェックボックス

チェックボックスは、例えば「以下の項目のうち、3つ答えてください」といった質問に対する回答欄として使えます。☑で表記されるボタンです。

これを挿入するには「開発」タブから「挿入」をクリックし、「フォームコントロール」内の「チェックボックス」を選択しましょう。

すると、「☑チェック1」といったチェックボックスが追加されます。こちらもオプションボタンと同様に、名前を変更することが可能です。

ドロップダウンリスト

ドロップダウンリストは、複数の回答から一つだけを選ぶ質問の回答欄として使えます。

これを設定するには、まずドロップダウンリストを表示させたいセルを選択します。

次に、「データ」タブから「データの入力規則」をクリックし、「設定」「リスト」と選択しましょう。

そして「元の値」に、選ばせたい回答を入力していきます。このとき単語を「,(半角カンマ)」で区切りましょう。そうすることで選択肢をリスト化できます。

その後「空白を無視する」「ドロップダウンリストから選択する」にチェックを入れ、「OK」をクリックしましょう。

テキストボックス

テキストボックスは、自由回答用に使えます。

これを挿入するには、「挿入」タブから「テキストボックス」「横書きテキストボックス」と選択しましょう。

その後テキストボックスが挿入されるため、サイズを適宜変更しましょう。

4.シート保護の設定を変更させる方法

最後にシートの保護を設定しましょう。Excelで作成したデータは、通常ロックがかかっています。

そのため、作成した人以外の人がシートを閲覧した際は、編集できないようになっています。便利な機能ですが、アンケートフォームとして入力してもらうには不便なため、この設定を変更しましょう。

まず、回答を入力してもらうセルを選択します。(ctrlキーを使って選択すると、離れたセルもまとめて選択できます。)選択したセルの上で右クリックし、「セルの書式設定」を選びましょう。

続いて「セルの書式設定」のダイアログボックスが表示されるため、「保護」タブを選択し、「ロック」のチェックを外してから「OK」をクリックします。

これでシートの保護設定は完了です。

Excel関数を用いたアンケートを集計する方法

Excelを使ってアンケートを実施するのであれば、関数を使ってアンケートを集計したい方も多いと思います。

そこで、ここでは関数を使った集計方法を紹介します。

【単一回答を集計】『COUNTIF関数』を用いた集計方法

COUNTIF関数とは、単一の条件に一致するセルの数を計算する関数です。

例えば、性別について「男性」「女性」「そのほか」で回答してもらった際に、「男性がどれだけいたかを集計したい」などの場合などに使います。

COUNTIF関数は、数式バーに=COUNTIF(範囲,検索条件)といった形で入力します。

まず、結果を表示したいセルを選択しましょう。次に、数式バーに「=COUNTIF(,)」と入力します。一つ目の数値として集計したいセルの範囲を、二つ目の数値として検索条件(例えば「男性」と入力したセル)を入力しましょう。

そうすれば、検索条件に合ったセルの数を集計して表示するようになります。

【複数回答を集計】『SUM関数』『INDEX関数』を用いた集計方法

SUM関数のなかでINDEX関数を使うことで、指定した範囲の合計を表示できます。

数式バーに、=SUM(INDEX(範囲,行番号,列番号))と入力することで使えます。

行番号、列番号は、指定しない場合は0を入力しましょう。

ID 性別 質問1回答 質問2回答 質問3回答
1 男性 10 100 1000
2 女性 20 100 2000

例えば、上記のような表があり、ID2の合計数を調べたい場合、次のように設定します。

まず、結果を表示したいセルを選択しましょう。次に、数式バーに「=SUM(INDEX(,,))」と入力します。

一つ目の数値として集計したいセルの範囲を、二つ目に2、三つ目に0を入力します。すると、ID2の列の合計、2120と表示されるはずです。

このとき、2つ目の数値に指定セルを入力し、指定セルに1と入力した場合、ID1の列の合計、1110と表示されます。

より簡単にアンケートフォームを作成するならフォーム作成ツールがおすすめ

ここまで、Excelを使ったアンケートフォーム作成について解説しました。Excelは誰でも利用しやすい一方で、関数の知識が必要であり、デザインやフォームの機能面では限定的です

より簡単で高機能なアンケートフォームを作成するなら、フォーム作成ツールがおすすめです。

特にクライゼルでは、AIを使用してデータベース項目を自動的に作成できます。また、AIによる指示文のサンプルも利用でき、データベース項目の作成と同時にアンケートフォームを自動的に作成することも可能です。

AIが提案する項目は編集や削除も可能で、短時間で思い通りのアンケートフォームを作成できます。

さらに、ノーコードでのフォーム作成はもちろん、回答に応じた自動返信やアンケート結果の集計にも対応しています。デザイン面もHTMLなどに対応しているため、作成の自由度が高い点もポイントです。

クライゼルのアンケートフォームについては、「自由度の高いアンケートフォームの作成ツールならクライゼル」をご覧ください。

まとめ

実際にExcelでアンケートフォームを作成してみると、最低限の機能しかなく、手間もかかることがわかります。また集計には関数の知識が必要なため、ハードルの高さを感じる方もいらっしゃるでしょう。

フォーム作成ツールの「クライゼル」であれば、ノーコードでフォームを作成できるほか、AIによる項目制作支援があり、項目数の多いフォームでも簡単に作成できます。より便利なフォーム作成ツールの導入を考えているのであれば、クライゼルを検討してみてください。

弊社の多彩な業務で使える高セキュリティなCRMプラットフォーム「クライゼル」のカタログは下記からダウンロードいただけます。機能・料金表の記載もありますので、ぜひご覧ください。
服部誠

トライコーン(株)取締役兼マーケティング統括。
Web広告、CRM、CDP、データ可視化などお客様のwebマーケティングの課題解決に長年従事。
Salesforce Marketing cloud メールスペシャリスト / アドミニストレータ / コンサルタントおよび、Salesforce アドミニストレータの各認定資格を保持。

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